【スバルの技術】アイサイトの高性能を支える部品メーカー
新型レヴォーグが評価が高く、とくにアイサイトの評価はトップクラスです。
なぜそこまで高い評価のシステムにできたのか?という視点で
日経Automotive誌で調べてみたら、やはり技術力のあるサプライヤーが出てきました。
ところが、採用されている企業はなんと海外企業です。
面白かったので以下に4点ほど例示してみます。
①VEONEER(スウェーデン:アイサイトステレオカメラ、前ミリ波レーダー)
(出典:VEONEER社ホームページ)
VEONEER社は独ダイムラーへシステム納入実績があり、技術力に優れた企業です。
新型レヴォーグのアイサイトステレオカメラに採用されています。
スバルも従来は日立オートモーティブシステムズでしたが、
今回は日本製にこだわらず、交差点での事故予防のためカメラの認識範囲を拡大。
また高速道路での支援拡大など、さらなる性能追及のために思い切って採用されたようです。
一方で、2008年から続く日立オートモティブシステムズは
今回は不採用になっています。
②Xilinx(アメリカ:カメラ内蔵半導体)
レヴォーグに採用されているのはこのザイリンクスのFPGAという半導体です。
ステレオカメラに内蔵されています。
(出典:XILINX ホームページ)
採用されたFPGAは最先端の微細加工技術を適用しやすく、
処理能力向上に役立っています。
従来の半導体よりプログラムしやすいこともあり、
改良が短期間かつ柔軟に行えるという利点があるそうです。
運転支援の分野はかなり開発競争が激しいため、
柔軟に開発出来ることは大きなメリットになります。
このため、スバルはFPGAを採用しに踏み切ったようです。
③ON Semiconductor(アメリカ:カメラ搭載イメージセンサー)
(出典:ON Semiconductorホームページ)
オン・セミコンダクターはアメリカ・アリゾナ州フェニックスに所在する会社で、
レヴォーグにはCMOSイメージセンサーを供給しています。
このセンサーによって、レヴォーグのアイサイトは
今回から検知角度2倍(!)になっています。
センサーの画素数が前モデルから230万に向上したことで、
交差点での衝突回避力が上がっています。
④コンチネンタル(ドイツ:後部ミリ波レーダー)
(出典:コンチネンタルジャパン ホームページ)
ドイツの大手自動車部品メーカーです。
レヴォーグでは後部のミリ波レーダーに使用されています。
他の日系メーカーにもミリ波レーダーが多数採用されているほか、
動運転システムの開発にも積極的で、
運転支援分野で強い影響力を持つ企業です。
アイサイトの部品に海外企業が多い理由
- SUBARUは看板のアイサイトの技術向上に積極的
- 技術力のある企業を積極的に採用する姿勢がある
- スバルの安全技術の要望に応えられる企業が海外にある
このように、スバルのアイサイトの高い要求に、海外企業が答えている現状があることがわかりました。
しかし本来、日系企業が得意とする分野です。
アイサイトの要望に応えられる企業が日本から再度出てくることを期待したいですね。